東北大学工学部は世界のセンター・オブ・エクセレンスを目指し、 学部1年次から大学院までの一貫教育を想定したカリキュラム編成を行なっています。 このことを反映して、本学科の卒業生のおよそ90%は大学院に進学します。 進学先としては工学研究科(応用化学専攻、化学工学専攻、バイオ工学専攻)ばかりでなく環境科学研究科(先端環境創成学専攻)への道も用意されています。
これらの化学・バイオ系大学院は、 国内、海外アジア地域の大学と連携した大学の世界展開力強化事業キャンパスアジアプロジェクトの一翼を担い、 文部科学省の博士課程教育リーディングプログラム「グローバル安全学トップリーダー育成プログラム」や「マルチディメンジョン物質理工学リーダー養成プログラム」、 「卓越した大学院拠点流動ダイナミクス知の融合教育研究世界拠点」にも参画するなど、 化学・バイオに関する世界トップクラスの教育・研究活動を展開しています。
また、当学科の「一体教育」は、化学・バイオ技術に関わるきわめて広範な産業分野に柔軟に対応できるものとなっています。 事実、本学科の卒業生は、大学院博士課程前期・後期を経て、 化学、電気・通信・精密機器、自動車・機械、鉄鋼金属、建設、エネルギー、食品、医薬などの産業界や官公庁などで技術者・研究者として社会の第一線で活躍しています。 本学科の卒業生の柔軟な対応能力は産業界においてきわめて高い評価を受けています。
化学・バイオ工学科では、専用webページで企業からの求人票、会社説明会の申込が随時可能となり、就職活動する学生は、就活情報を24時間リアルタイムで閲覧できるなど、充実した就職支援を行っています。
<学部卒業生・大学院修了生の過去2年間の主な就職先> (順不同)
石川 桃子さん
修士
ヤマハ株式会社
木材技術部
学部卒業年:平成25年
本学科の魅力は、何と言っても「応用化学・化学工学・バイオ工学」すべての科目を同時に学ぶ環境が整っているところだと思います。この環境で、化学系技術者としての広い視野を身につければ、どんな課題であっても柔軟に対応していくことができます。授業や研究活動での広範囲な経験が、解決の糸口を教えてくれるからです。皆さんも、自分の興味のある分野で、化学の総合力を活かす。そんな将来を思い描いてみませんか。
私は、幼いころから続けてきた楽器・音楽の世界で、自分が好きな「化学」の仕事をしています。業務範囲は多岐に渡りますが、大学で学んだ化学の総合力を活かして業務に向き合うことができていると感じます。化学を学んで、将来何をするのか。皆さん自身の「答え」をぜひ化学・バイオ工学科へ探しにきてください。
阿部 敬太さん
博士(工学)
スリーエム ジャパン株式会社
コーポレートリサーチシステム
ラボラトリー
学部卒業年:平成22年
本学科に進学すると、3コース合同で総合的に化学を修めた後に、それらを活用して研究活動を行います。そして、研究テーマを通して実験計画、分析、プログラミング、論証、発表等のスキルを身に付けるとともに、その分野をさらに深く学びます。ここで得たスキルは、その後、仕事を選ぶ上で強力な基盤となりました。
研究とは、世界の未解決の課題に取り組むものであるため、運が良いと人類で初めての現象に立ち会うことができ、非常にエキサイティングです! そして、その成果を世界に発表したり、それを基に新しいテーマを考えたりと、ここでしかできないことが目白押しです。そのような素晴らしい経験を提供するために、本学科の優れた教育カリキュラム、研究施設、教職員、学友といった最高の環境が、あなたを待っています!
工藤 恭敬さん
修士
クラレノリタケデンタル株式会社
技術本部 三好開発部開発グループ
学部卒業年:平成19年
一括りに化学と言っても、有機・無機・バイオ・化学工学など様々な化学があります。本学科の魅力はこれら様々な化学の知識を一度に学べることだと思います。知識は人類の武器であり、濃密な時間を共にした友人は仲間です。武器も仲間も多いに越したことはありません。
私は現在、虫歯の治療に用いられる材料を開発しています。人間の歯やその治療に用いられる材料は有機物と無機物で構成されているため、歯科材料の開発には有機と無機の両方の知識が必要です。大学で学んだ知識は苦しむ患者さんを救う材料開発に役立ちますし、仲間と育んだ研究に対する姿勢も自身を成長させるスパイスになります。
皆さんも、本学科でたくさんの武器とたくさんの仲間を探してください。
古川 桃子さん
修士
花王株式会社
メイクアップ研究所
学部卒業年:平成13年
化粧品の研究は、大学の研究と直接関係がなさそうですが、会社に入ってから、本学科で学んだ応用化学、化学工学、バイオ工学の全てが、化粧品の様々な分野で役に立つ専門性だと実感しています。また、化粧品には単なる測定の結果以上に、世界観や魅力が必要であり、それらは緻密な論理により生まれると考えています。学部や修士での研究活動を通じて論理的な考察を学んだことや、様々な分野で活躍している研究室のメンバーから現在でも刺激を受けていることが、私にとって大きな財産です。
子育てをしながらの慌ただしい毎日ですが、開発した化粧品で世界中の人々が美しくなって喜ぶ姿を実際に見たときの感慨はひとしおです。
化学の総合力を身につけて、とことん!研究し、魅力的なモノ、技術を生み出しませんか?
小野寺 真里さん
修士
パナソニック株式会社
先端研究本部
学部卒業年:平成21年
東北大学での学生生活は私の青春そのものです。 美しい「杜の都」仙台の街でサークル活動や研究に没頭し、たくさんの仲間や先生に恵まれました。 本学科の良いところは、有機・無機・バイオ・化学工学の全てを網羅して勉強でき、 「総合力」を身につけることができるところだと思います。 卒業後に就いた研究職では「新しいものを創り出す“創造性”」が求められますが、 総合力を身につけて世界No.1の技術を発信し、日本の未来を共に創りましょう!
楠瀬 泰弘さん
博士(工学)
味の素株式会社
イノベーション研究所
基盤技術研究所 上席研究員
学部卒業年:平成元年
私は高校時代から化学が好きで、将来は漠然と化学に携わる仕事に就きたいと考えていました。入学時は応用化学と化学工学の違いを理解していませんでしたが、双方の講義を受講する中で、自らの適性を見極め、化学工学科を選択しました。東北大学は化学系として一括募集していますので、じっくり考えて選択出来ることが魅力です。化学工学は幅広く、工場や研究所での生産、建設、プロセス設計等の仕事を通じて、食糧問題、環境問題、医療問題といった現代が抱える多くの課題解決に繋がる可能性を秘めています。実にドラマチックだと思いませんか?皆さんも東北大学で技術者としての礎を磨き、次代の地球人として、未来に大きく羽ばたいて下さい。
熊谷 将吾さん
博士(環境科学)
東北大学大学院
環境科学研究科助教
学部卒業年:平成22年
化学・バイオ工学科で学んで感じた魅力は、応用化学、化学工学、バイオ工学の研究室が集まっているということ。
高校で学ぶ化学の概念にとらわれない幅広い視野を養う環境が、学部生のときから整う学科だと思います。
研究では、自分が思い描いた通りの結果が出ないことが多く、挫折を経験することもあるでしょう。
しかし、その失敗が引き金となって新しい発見が生まれたり、解決につながったりすることがあるのです。失敗を恐れず、まずは行動を起こすことが大切です。
化学・バイオ工学科は、化学に興味がある人であれば誰でも学びや研究が楽しめる場所。いろんなジャンルの研究者がいるため、研究の自由度は無限に広がります!
小野 公徳さん
博士(工学)
東レ株式会社
複合材料研究所
学部卒業年:平成22年
みなさん、飛行機や車は何でできているかご存知ですか?
鉄などの金属を思い浮かべる方が多いかもしれません。最近の飛行機の半分は、炭素繊維が入ったプラスチックでできています。鉄よりも軽くて強いので、機体が軽くなり、燃費が良くなり、CO2削減にも大きな効果があります。この”素材”には世界を大きく変える力があります。”素材”を作るには、化学の力はもちろん、物理、数学、時には生物の知識を総合的に駆使しなければなりません。この化学・バイオ工学科では3年生まで、これらの専門を講義・演習・実験を通じて学ぶことができます。みなさんも化学・バイオ工学科で広く、深い知識を身に着け、イノベーションを起こしましょう!
菅原 静郎さん
工学博士
JX金属株式会社
執行役員
学部卒業年:昭和57年
高校時代に化学が好きだったことが一番の志望動機だが、より産業につながりの深い学問を学びたいと考え工学部化学系を志願した。実際には大学院で材料化学を、助手時代には電気化学のテーマを研究し、広範囲な研究/技術分野を経験したことがその後のキャリアに大きく影響した。会社に入ってからも多くのプロジェクトなどに携わることが多かったが、化学系における様々な経験が非常に役に立ったことは間違いない。なぜなら、化学系で学んだことは製造プロセスを考えるうえで有益な指針を与えることができるベースの学問だからである。将来様々な分野/世界で活躍することを考えている人は、是非、東北大学工学部化学・バイオ系を志願してほしい。