分子性化合物の化学
分子性化合物の化学
機能性有機電子材料のケミストリー: 有機合成化学の手法で分子性化合物の多彩な電子・スピン・分極状態を設計し、その分子集合体構造の制御から、導電性・磁性・強誘電性・発光特性などが互いにカップリングした多重機能材料や次世代分子マシンの創製に必要な動作原理の提案とデバイス構造の最適化などに関する研究に挑戦しています。
主な研究テーマ
- 新規な有機強誘電体の開発
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柔軟な分子集合体構造を持つ不揮発性メモリ。鉛などの重原子を含まない有機材料を用いた電子材料や不揮発メモリ素子が注目されています。当研究室では、有機合成の手法により、メモリ効果を示す新規な有機強誘電体と光物性や伝導性などの機能が複合化した多重機能性有機材料を開発しています。電場や光に応答する次世代多重メモリ素子などの開発を視野に入れた基礎研究を実施しています。
- 多重応答型の発光センサ材料の開発
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多重応答型イオンセンサ材料。特定のイオンを認識して発光特性が変化するイオンセンサ分子が注目されています。当研究室では、有機合成の手法により、カチオンとアニオンの二重センシングに対する履歴を示す発光メモリ材料を開発しています。ある特定のカチオンとアニオンの組み合わせに応答してゾルーゲル転移を示す多重機能性有機材料を創製しています。
- 人工分子モーターの開発
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動的分子構造と物性の融合。生体内の高効率エネルギー変換を担う分子モーターが注目を集め、その原理を利用した人工分子モーターの開発が注目されています。当研究室では、有機合成の手法により、分子集合体中のダイナミックな分子運動を設計し、分子回転と強誘電性などが互いにカップリングした新規な分子モーター(ローター)構造を開発しています。次世代の高効率エネルギー変換や物性制御を可能とする機能性有機材料の開発を視野に入れた基礎研究を実施しています。