遷移金属・典型金属が可能にする分子変換反応
遷移金属・典型金属が可能にする分子変換反応
Pd、Rh、Ruなどの遷移金属錯体を用いる触媒的カップリング反応の開発、典型金属と塩基の電子的・立体的性質を巧みに利用した革新的な分子変換反応の開発、電子材料への応用を指向した機能性平面分子の創成などに取り組んでいます。
主な研究テーマ
- 芳香族化合物の直接カップリング反応
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芳香族化合物が連結した構造は、医薬品や機能性分子によく見られる構造単位です。我々は、遷移金属錯体の中心金属や配位子の性質、および添加剤の特性を利用した芳香族化合物の直接カップリング反応の開発に取り組んでいます。
- アルケンの求電子置換反応
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金属試薬と塩基の電子的・立体的性質を巧みに利用した反応の開発に取り組んでいます。とくに、高分子材料の原料として利用される構造をアルケン類から簡便に合成する手法を確立しました。また、医薬品や化成品の合成に有用なアルケンボロン酸類を安価なアルケンから合成することにも成功しました。
- ホウ素原子を含んだ平面π共役系分子の合成
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有機ホウ素化合物は、ホウ素の性質に起因する電子受容性から効率の良い電子輸送性材料となることが期待されます。一方で、化学的安定性が低く、電子材料への応用は困難とされてきました。我々は、ホウ素の周囲を堅固なπ電子系で囲んだ分子を設計し、新しい反応を取り入れた手法によりその合成に成功しました。