有機ナノ材料の化学
有機ナノ材料の化学
薬効化合物を効率的に患部へ届けるドラッグデリバリーシステムの構築を目指した有機ナノ材料の研究に取り組んでいます。独自の有機ナノ粒子の作製手法である『再沈法』を用いて、悪性腫瘍「がん」や眼疾患などを対象とした新規ナノ薬剤の創製を目指して化合物合成から、細胞、動物実験までを行なっています。
主な研究テーマ
- 従来と逆の分子設計に基づく新規ナノ薬剤
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従来の薬化合物の分子設計は水溶性とすることが一般的です。我々は分子をあえて疎水性とすることで、独自の有機ナノ粒子作製手法である再沈法により粒径100nm以下の微小なナノ粒子である『ナノ薬剤』が作製可能であることを明らかにしました。
- 角膜バリアを突破するナノ粒子点眼薬
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点眼薬(目薬)は簡単な投薬方法ですが、投与した薬物の大部分は角膜のバリアによりはじかれるため、0.1%以下しか眼の内部に到達しません。そこで、眼内移行性の向上を目指した新規点眼薬として「ナノ粒子点眼薬」の作製に取り組んでいます。
- バイオマスの高度利用化に向けた研究
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私たちの社会で利用されている医薬品や材料などは化石資源から製造されていますが、資源の枯渇や環境汚染が深刻な問題となっています。そこで、天然に豊富に存在するバイオマス資源に着目し、付加価値の高い化合物の創生に取り組んでいます。