生命に学ぶものづくり
生命に学ぶものづくり
生命の進化の果てに獲得された巧妙な代謝制御機構を解き明かし、それを応用したものづくりを目指します。そのため、未解明の生化学反応を触媒する酵素を探索し、酵素を含むタンパク質複合体による高度な代謝制御機構を解明するとともに、その代謝ユニットを包括的に制御するための細胞内情報伝達機構を解明することで、新たな代謝工学戦略をデザインします。
主な研究テーマ
- 新規酵素の発見とオンデマンド酵素デザイン
-
植物や微生物は、環境ストレスに適応するため多様な化合物を合成しています。その中にはヒトに対し有用な生理活性を示すものも多く、代謝工学による高生産が望まれています。そこで、それらを合成する酵素を発見しその三次元構造を決定することで、触媒の分子機構を解明するとともに機能改変型酵素のデザインを行います。
- メタボロンの再構築による高度な代謝制御
-
代謝経路内の複数の酵素タンパク質で形成される複合体(メタボロン)は、細胞内における代謝機能の高効率化に寄与しています。そこで私たちは、酵素やその活性調節タンパク質間の相互作用ネットワークを解明するとともに、それを別の微生物や植物の細胞内で再構成することで、より高度な代謝工学系を開発しています。
- 生体内情報伝達機構の操作による高効率な生物生産系の創出
-
生物は、細胞内外の刺激情報を受容・変換し伝達することで、必要とされる化合物の代謝経路の酵素群や調節タンパク質等の量を遺伝子発現レベルで調節しています。その巧妙かつ複雑な細胞内情報伝達機構を解明し、それを人為的に制御することで、特定の化合物を大量に生合成・蓄積可能な植物や微生物を創出します。
応用生命化学講座 http://www.che.tohoku.ac.jp/~seika/