スマートにタンパク質を進化
スマートにタンパク質を進化
遺伝子の情報から機能をもった分子として生まれるタンパク質は、生命のありようを決定づけるほど様々な機能と構造をつくりだせます。生物の進化を試験管で模倣する進化工学的操作に情報科学とナノテクノロジーを掛け合わせて「医療」「環境」「材料」で活躍できる新しいタンパク質をデザインしています。
主な研究テーマ
- 進化工学&人工知能をつかったタンパク質デザイン
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タンパク質は20種類のアミノ酸がつながった鎖です。このアミノ酸の並び方で生命活動に必要な様々な機能をうみだしています。私たちは、試験管の中でのタンパク質の進化を人工知能が目的の機能へ案内してくれる技術を開発しています。
- 創薬エンジニアリング
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腫瘍がんを治療するスマート抗体:抗体分子は、私達の体で免疫を司っているタンパク質の1つで、特定の分子にのみ結合できる機能やリンパ球にシグナルを送ったりする機能を使って外からくる侵入者やがん細胞などを殺傷しています。私達は、このような抗体分子を機能別に構造を一度分解し、分解した部品を積木細工のようにもう一度合理的に組み直すことによって、自然界にはいない高機能な抗体分子を創り出しています。
- 自動で組みあがるナノデバイス
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タンパク質が表現する重要な機能の1つに「分子認識」があります。私たちは、金属やセラミックス表面を識別して結合できる抗体分子を世界で初めて創りだし、その抗体を用いて有機や無機のナノ材料のパターニングやアセンブリに成功してきました。この技術は、無機・有機・バイオ分野のナノ素材を積木のように積み上げることによって特定の機能を持つナノデバイスを作製することを可能にすると考えています。