放射光でナノ材料を視る
放射光でナノ材料を視る
新奇な物性や優れた機能を発現するナノ材料は、相分離や自己組織化、化学状態・局所構造の変化などスケールに応じた興味深い現象を生じます。私たちは高輝度放射光X線をプローブに、なぜ特異な機能を発現するのか、どうやってそのような構造を形成するのか、そのメカニズムを探求しています。
主な研究テーマ
- 放射光分析を駆使したナノクラスタ・組織形成過程の可視化
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ソフトマテリアルや金属材料は、ナノからミクロまで広い時空間のスケールで複雑な階層構造を形成しています。私たちはさまざまな材料の構造と機能の相関を、階層ごとに正しく理解するために、放射光X線分析を駆使した外場下における原子の化学状態・構造・ダイナミクスの解明に取り組んでいます。
- ポリマーブラシを鋳型にした酸化物表面への貴金属担持とナノ空間利用
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基材表面に高分子鎖を密に修飾した“ポリマーブラシ”は、ブラシ間距離に応じたサイズのイオンを選択的に取り込みます。私たちはポリマーブラシ鎖間における貴金属析出法の開発とともに、ポリマーブラシの形態が析出反応に与える影響の解明に、放射光分析を駆使して取り組んでいます。
- 放射光X線分光計測と計算科学を用いた原子間相互作用の解明
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放射光X線分光と計算科学を活用することで、材料を構成する原子同士の相互作用や化学結合状態を詳しく研究することができます。私たちは各種分光手法とスペクトルシミュレーションを活用して、機能性材料の合成・機能発現メカニズムの解明に取り組んでいます。